HOME > 推薦図書・コラム > コラム

コラム

自分の意思で決めたい。がんと診断されてからのいろんなこと。

がんと診断されたり再発を告げられたりすると、頭の中が真っ白になって呆然となり何も考えられなくなるものです。でも、治療のことやこれからの生活のこと、療養の場所をどうするかなど、いろんなことを決めていかなければなりません。「治療のことなんてわからないし、すべて先生におまかせしたい。」とおっしゃる方、あるいは、家族に迷惑がかからないように自分の思いを我慢される方もいらっしゃるかもしれません。

でも、自分の大切な人生なのですから自分がどうしたいか、そしてどう生きていくのかは自分自身で後悔のないように決めたいものです。ただし、自分独りで決めなければならないというのではなく、正しい情報を得たり、医療者に質問したり、誰かに相談したりしながら十分に時間をかけて決めればいいと思います。当然、迷うことも悩むことも葛藤することもあるかもしれませんが、それも自分にとってよりよい方法を見つけ出すために必要なことなのです。担当医以外にもがんの拠点病院をはじめ医療機関にはいつでもそのような相談に対応してくれる窓口があります。あなたにとって最善の方法を決めるのに親身になってお手伝いしてくれることでしょう。あなたの意思が尊重され、あなたが信頼できる人たちと一緒に、いろんな場面で納得のいく決定ができるといいと思います。

(徳島大学病院 がん看護専門看護師 三木幸代)

人は100%死ぬ!「死」をタブーにしない

これは確実で平等です。
世の中には色々な確率があります。隕石に当たって死ぬ確率や南海トラフの大地震が起こる確率、癌治療後5年以内に再発して死ぬ確率などなど、癌の治療を担当している医師も看護師も何年か後には何らかの病気で死にます。
場合によっては、再発の治療をしている患者さんより早く心筋梗塞で急死するかもしれない。
あなた=がん患者=死ぬ人、私=医療者=見送る人とも限らない。

同じ死に行く人として、今、先に病気と戦っている先輩として患者さんの生き様から学ぶ場面が多いです。
我々は看取った経験は多いかも知れないが、自分が死に直面した経験は少ない。
患者さんと「死」について率直に話し合えると、お互い学べることも増えます。
「死」をタブーにせず、人生の一部として「死」を話題にできれば、お互いの残された人生の生き方が変わるかも知れません。
患者さんの中にも、「死」について話したいと思っているが話せないでいる人が多いとも言われています。

「死」を話題にするには、人と時期を選ぶ必要があると思いますが、患者さんから話があった時や話せると感じた時は、逃げないで「死」について話を聴くことができる人でありたいと思います。

(徳島県立三好病院 がん診療支援センター長 寺嶋吉保)

がん生存者  Cancer Survivorship

Cancer Survivor(がん生存者)とは、がん治療中の人、癌の診断や治療に伴う社会的不利益や再発の可能性に向き合っている人、がんと共に生きている人とその人のがんに影響を受けている家族遺族を含みます。

Cancer Survivorshipとは、これらの人=Cancer Survivor(がん生存者)に関わる事柄を指し、1986年に米国のNCCS(The National Coalition for Cancer Survivorship)が、新しい癌生存の概念として打ち出したものです。

NCCSは、以下のように定義しています。
「サバイバーは、がんの告知を受けた個人がその生涯を全うするまでを意味する。その家族、友人、ケアにあたる人々なども、その影響を受けるので、彼らもサバイバーに含まれるべきである。」

(徳島県立三好病院 がん診療支援センター長 寺嶋吉保)